怒りをコントロールすることをアンガーマネジメントと言います。看護師はさまざまな職業人のなかでも、特にストレスを感じやすいのが特徴です。命に関わる現場に携わることもあり、その心労は計り知れません。怒りはストレスに直結するので、なるべく溜め込まない工夫が必要です。怒りという感情を覚えるのは生理現象であり、これをなくすことはできません。しかし過剰な怒りは、ストレスや不安、後悔などを生むことになります。
真面目な人は怒りを感じやすいと言われており、例えばマナーやルールを厳守しない人に対して厳しくなります。怒りのスイッチが入るのが早く、また怒りがなかなか収まりません。真面目であることは長所のひとつですが、真面目ゆえに損をする部分もあるのです。怒りを上手にコントロールするためには、細かいことにこだわらない柔軟性が大切です。適度に手抜きをできる看護師は、いざという場面で集中力を発揮できます。自分を追い詰めないことが、結果的に怒りのコントロールにつながるのです。
物事を白黒で考えてしまう人も、怒りを溜めやすい傾向があります。こうした人は融通がきかないケースが多く、また他人にも厳格に出ることが多いです。それゆえ周囲から敬遠されるケースが多く、きつく当たられるなどの問題につながり、それが怒りを生み出すことがあるのです。人間は不完全な生き物であり、完璧な人間にはなれません。他人を許すことのできる人は、怒りとうまく付き合うことができるのです。